主要指標
決算スコアカード
2023年第1四半期(S&P500企業の95%が実績報告)において、S&P500企業の78%がEPSサプライズ、76%が売上高サプライズを報告しています。
収益の減少
2023年第1四半期のS&P500のブレンド収益低下率は-2.2%です。仮に-2.2%が実際の収益減少率であった場合仮に-2.2%が実際の減益率であれば、2四半期連続で減益を記録することになります。
収益の修正
3月31日、2023年第1四半期の推定減益幅は-6.7%でした。10セクターがポジティブなEPSサプライズにより、本日(3月31日と比較して)増益を報告しています。
収益のガイダンス
2023年第2四半期について、S&P500の58社がマイナスのEPSガイダンスを、S&P500の41社がポジティブなEPSガイダンスを発表しています。
バリュエーション
S&P 500の12ヶ月先のPERは18.3です。このPERは5年平均(18.6)を下回るが、10年平均(17.3)を上回っている。
今週のトピック
S&P500社、3四半期連続で決算説明会で「景気後退」を話題にする企業が減少
景気減速や景気後退に対する懸念が市場で続いている中、S&P 500種構成企業の第1四半期の決算電話会議において、景気後退について言及する企業が通常より多かったか?
答えは「イエス」です。この質問に答えるために、3月15日から5月18日にかけて行われたS&P500の全企業の決算電話会議のトランスクリプトの中FactSet Document Search(複数の文書タイプからキーワードやフレーズを検索できる)を通じて、すべての電話会議記録の中から "recession "という用語を検索しました。
これらの企業のうち、107社が第1四半期の決算説明会で「リセッション」という言葉を引用しています。この数字は、5年間の平均値である77を大きく上回っています。
セクター別では、金融(30社)と工業(22社)のセクターで、S&P500の中で最も多くの企業が第1四半期の決算説明会で「リセッション(景気後退)」という言葉を引用していることがわかりました。
しかし、S&P 500種構成企業のうち、決算説明会で「リセッション」と回答した企業の数は、第2四半期をピークに、第3四半期は減少していることに留意が必要です。本日現在、S&P500のうち「リセッション」と回答した企業の数は以下の通りです。
2023年第1四半期の決算説明会で「景気後退」を挙げたS&P500社の数は、2022年第4四半期(147社)を27%、2022年第3四半期(184社)を42%、2022年第4四半期を55%下回っています。S&P500のうち、第1四半期決算を発表していない企業はまだ約25社あります。したがって、最終的な数字は107を上回る可能性がありますが、過去3四半期の数字には及ばないでしょう。
また、債務上限についてもS&P500社で議論している企業がほとんどないのも興味深いところです。3月15日から5月18日までの間に、S&P500のうちわずか13社の決算説明会で「債務上限」という言葉が引用されました。
つまり、リセッションの影響を受けているのは金融、不動産セクターで
情報技術、通信、ヘルスケアのセクターではリセッションによる
業績悪化の影響は予想ほど大きくなかったということです!
これが、この3セクターが非常に調子がいい理由です